平穏の終焉は、仮面を手にした時に
『僕』を知っているお前と再会した時には、もう遅かった。
俺は、本当の平穏の為に、抜かねばならぬ刃を抜いた。友は、この世界の内からの改革を望み、ブリタニアに組みした。
その結果が、これだ。友が、立ちはだかった。
(お前はそうしてでも、ブリタニアを内から変えるのか?)
こんな価値のない国を。
『変革』なんて、いつ訪れるか解らない永いもの。そんなのを望んで足掻いても、あの男、ブリタニア皇帝は止まらない。
だったら、『崩壊』の方が速い。足元から崩して、その先にいるキングを倒す。それが、一番速い。
だから、この道を選んだ。お前とは反対の。俺には、もうこれしか残っていない。
偽りの自分。偽りの名前。偽りの場所。もう偽りを演じるのは止めた。
“ルルーシュ・ランペルージ”は、仮面だ。
お前は知らないよな。俺の仮面の上の仮面が嘲笑うんだ。
『繋いだ手のぬくもりを忘れろ、溺れるな。総てを欺き、闘え。それがお前が進む道だ』
お前は死んでいる、とあの男に言われた俺は、そうするしか、なかった。この左眼の力を手に入れた時から、これしか。
「お前は俺が……」
“ルルーシュ・ランペルージ”
“ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア”
“ゼロ”
どれも俺であって、俺ではない。これらが、穏やかな日々を幻にする。
嗚呼、もう終焉が近い。それでも、
「まだ、残ってるよ」
お前の手のぬくもりが。あの夏の日、初めて繋いだ手のぬくもり。そして、あたたかな想い出だけ。
Closed...