文章修行家さんに40の短文描写お題 ギ/アス編

目次
 00. お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければなにか一言。

 01. 告白
 02. 
 03. 卒業
 04. 
 05. 学ぶ
 06. 電車
 07. ペット
 08. 
 09. おとな
 10. 食事
 11. 
 12. 
 13. 女と女
 14. 手紙
 15. 信仰
 16. 遊び
 17. 初体験
 18. 仕事
 19. 化粧
 20. 怒り
 21. 神秘
 22. 
 23. 彼と彼女
 24. 悲しみ
 25. 
 26. 
 27. 芝居
 28. 
 29. 感謝
 30. イベント
 31. やわらかさ
 32. 痛み
 33. 好き
 34. 今昔(いまむかし)
 35. 渇き
 36. 浪漫
 37. 季節
 38. 別れ
 39. 
 40. 贈り物


≫≫≫ 配布元:文章修行家さんに40の短文描写お題







 00. お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければなにか一言。

 指標に沿えなかったものもあるかもしれませんが、少しでもお楽しみ頂けたら幸いです。文章力ない事を露見してしまったような……。




 01. 告白

 主を亡くした騎士は、明かした。殺す、と、友に。そして、孤独の皇子は、覚悟した。
「俺は、もう決めた」
 魔女と共に皇子は、孤独の道を歩む。




 02. 嘘

「ルルーシュ、それ嘘だろ?」
「バレたか」
「君は秘密主義だけど、真っ向からは嘘をつけない」
「そういうお前だって」
「そうかな」
「そうだよ」
 仮面と刃を隠して。

 



 03. 卒業

 血染めの刃を捨てましょう。自己の為の力を持った己を捨てましょう。
 そうして、騎士は皇子に秘密を持ちました。
「僕は……」





 04. 旅

 人生の旅。地図の無い、先の見えない旅。一度しか歩む事の出来ぬ旅。
「スザク、俺は何処かで道を間違えたか?」
 でも、戻れないのです。





 05. 学ぶ

 少年にとって父は、学ぶべき手本であると同時に、友を奪おうとした憎い者なのでした。
 ふるった刃は、それを突き刺した。





 06. 電車

 二つの電車は、平行に走る。進む先は同じ。しかし、走る線路は違う。その過程で手に入れたものも違えば、思想も違う。
 最後には正面衝突。





 07. ペット

「いいな」
「お前も可愛がってやろうか?」
「イエス、ユア ハイネス」
 ただのお戯れ。





 08. 癖

「それ、癖?」
「ああ、いつの間にか」
「駄目だよ、傷になる」
「止められないんだ」
「じゃあ、僕が止めてあげる」
 依存度が高い。





 09. おとな

 おとなとこどもの狭間。時におとなになれないと足掻き、時に昔の大事な想い出に酔う。
 それでも、いつかは誰もがおとなになる。





 10. 食事

「ルルーシュは細すぎる」
「普通だ」
「いいや、細い。あんまり食べてないだろ」
「お前には関係ない」
「関係ある」
 その先は、お望みのままに。





 11. 本

「ルルーシュ、本ばかり読んでないで」
「今読みたいんだ」
「つまらないよ」
「なんでお前が」
「……解ってないんだから」
 本なんて、ただの障害物。





 12. 夢

 優しい、あたたかい夢。昔の、夢。ひまわりの黄金色が鮮明に残る幼い夢。
「また、ひまわりが見たいな」
「そうだね」
 叶わない、夢。





 13. 女と女

「ルルーシュは細いね」
「そんな事ない」
「女の子みたいだ」
「女ほどヤワじゃない俺は」
「そうだね。でもね、強いんだよ、女の人の方が」
 手を引くは、総て女。





 14. 手紙

 出さなかった手紙。ただ『ありがとう』と書いただけの手紙。出さぬまま七年の月日が過ぎた。
「もう、お前は敵なんだな」
 出せない手紙が、一枚。





 15. 信仰

「お前はルルーシュを何も解っていない」
「ルルーシュがブリタニアを嫌っていると解っても尚、信ずるお前なんかに」
 魔女は騎士を疎み、皇子を信ずる。





 16. 遊び

「チェックメイト」
「……やっぱり君には叶わないな」
「お前はワンパターンだから解りやすい」
「君は色々な戦法を用いるから解りにくい」
 穏やかな日々の遊戯。





 17. 初体験

「ルルーシュ、お前キスした事ねえだろ」
「あるさ」
「嘘だ」
「嘘じゃない」
「絶対嘘だ」
「嘘じゃない」
「じゃあ、証明してみせろ」
 触れたのは、初めての。
 これは遠い記憶。





 18. 仕事

「ごめん、仕事が入った」
 騎士は、皇子の元を離れました。皇子の心に残るのは、空虚・渇望・憎悪。
「俺は……」
 握り締めた拳から、赫が散る。





 19. 化粧

 化粧は仮面と同じ。本当の己を隠す。
「ルルーシュ、お前は化粧をしたままだな、あの男も」
「お前もだろう」
「ああ、そうだな」
 皇子も騎士も魔女も、皆。





 20. 怒り

「君を殺したかった、ルルーシュ…否、ゼロ」
 内から溢るる感情を剥き出しに騎士は皇子へ刃を向けた。
「でも…なんで……、っ…君なんだ…」
 騎士は皇子の孤独を知らぬ。





 21. 神秘

「すごいね、その眼」
「綺麗な紫が、真っ赤だ。でも、綺麗」
「これで僕に命令したんだろ?」
「この眼が……」
 総ての元凶。





 22. 噂

「スザク、お前……」
「ん?」
「……なんでもない」
「気になるなあ」
「大した事じゃない」
 噂の真意は分からぬまま。





 23. 彼と彼女

「スザクがユフィを……選んだ。スザクはナナリーの騎士に…」
「だったら命令すばいいじゃないか、力で」
「それだけはしたくない」
「……甘いな」





 24. 悲しみ

 信じられないものばかりの中で見つけた、ただ一つの幸せ。それさえも祖国は奪った。
「スザク……僕は、ブリタニアを…ぶっ壊す!」
 幼い皇子は決めた。





 25. 生

『生きろ』『生きろ』
 叫ぶ。聞き覚えのある音が枯れるまで叫ぶ。泣きそうに叫ぶ。
「なんで……僕は、俺は…生きている…?」
 まだ叫びは聞こえる。





 26. 死

 騎士は、死を望みました。罪を許される為に。
 しかし、それは皇子により赦されませんでした。王の力により、生きて罰を償う事しか赦されないのです。





 27. 芝居

「『ゼロ』を演じ馴れたようだな」
「もう覚悟を決めてるさ」
「でも、まだまだだ。あの騎士を諦められないくせに」
「煩い」
「迷いを捨てろ」
「解ってる」





 28. 体

「綺麗だね、ルルーシュは」
「どこが。お前の方が綺麗だろ」
「僕は血にまみれている」
「いいや。俺の方が手も身体も」
「なんでそうなったのかな」
「さあな」





 29. 感謝

「……ありがとう、ルルーシュ」
「俺たち…友達だろう」
「七年前からずっと」
 背中合わせで、もう手の届かない、『友達』。
 憎ませてくれてありがとう。





 30. イベント

「……またか」
「いいじゃないか。楽しいし」
「お前な」
「楽しかったよ、猫祭り。それに、こういう事って今しか出来ないから」
「…そうだな」





 31. やわらかさ

「このやわらかさがいい。口の中でとろけて、甘い風味が舌に広がる。これ程に好きなデザートはない」
「君って本当にプリンが好きだね」





 32. 痛み

 指先から血が流れる。一筋の傷口から止めどなく。指を伝い落ちた血は、机に散らばる。
「何やってるんだ、馬鹿!」
「あはは、切っちゃった」
 嗚呼、痛い。





 33. 好き

「好きって、愛してるよりいいね」
「なんで?」
「君を縛らないで済む。愛は総てを縛るから」
「なら、俺も好きだ」
 縛らない。総て奪いたくないから。





 34. 今昔(いまむかし)

「君は昔、僕って言ってたね」
「お前も俺と言ってた」
「だって、『僕』は自分の為に力を使わない。だから、君たちの為に使う」
「その理由に、『俺』はお前の為に力を使う」





 35. 渇き

 望んでも、望んでも、手に入らない。安らぎを手に入れる為の騎士が。何度手を伸ばしても、掠める事しかしない。
 渇きは増える一方。





 36. 浪漫

「結果が総てだ。平穏を手に入れる為なら、手段は選ばない」
「もう戻る道などないのだから」
 嗚呼、なんてピカレスク。ロマンだよ。





 37. 季節

「君はどんな季節が好き?」
「冬だ」
「僕は春。他は?」
「夏は嫌いだ……あの日を思い出すから」
「そうだね」
 あたたかな想い出と、残酷な想い出。混在。





 38. 別れ

「釣りに行こう、じいちゃんになっても」
「ああ。今度は負けない」
「やれるもんならな」
 ちっぽけな約束。でも、この平穏が長く続けば、と。





 39. 欲

「お前は欲深いな、あの男に関しては」
「そうか?」
「そうだ。妹の騎士にしたいとか言って本当は傍に居て欲しかったのだろう?」
「……」
「私だけはずっと傍に居る」





 40. 贈り物

 最高の贈り物は、何なのでしょう。
 高額なもの?
 愛の籠もったもの?
 いいえ、ただ平穏に暮らせる日常なのです。皇子は、望みました。二度と訪れないそれを。





刹那の平穏、シャングリラ、さよなら